立命館大学との共同研究 中間報告会
先週の金曜日(22日)共同研究をお願いしている
立命館大学環境システム工学科の岡本享久教授と
修士1年の志村さん学部4年の南舘君のお三方が
今年度研究の中間報告に来社されました。
岡本先生とは、先生のお母様がお住まいになっている
三ケ日町のご実家で「古民家再生」の仕事をさせて
いただいたのが、知りあったきっかけでした。
三ケ日岡本邸外観
三ケ日岡本邸内観
岡本先生の研究室名は「環境マテリアル研究室」。
マテリアルの中でも特にセメントやコンクリートの
あらゆる可能性を追求するのがメインテーマです。
その中でも非常に面白い研究テーマの1つが
「セメント系硬化体からなる新規発音体の楽音特性と癒し効果」。
コンクリート製の弦楽器や管楽器を企業と共同製作しており、
今年度の「全国手づくり楽器アイデアコンテスト」で
見事1位(会長賞)に輝いたそうであります。
http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/r_na_hito/entry/?param=420
コンクリート製のハーブ
コンクリート製のトランペットとクラコーダー
先生は民間企業ご出身でもあり、考え方が非常に柔軟。
ご実家の古民家再生以来、古民家も環境マテリアルであると認識され
「日本古来の建設材料と建造技術からなる古民家の再生推進と
保有する自然エネルギーの評価・分析」を研究テーマに加えられ、
7年前より弊社との共同研究がスタートしました。
今年度の研究テーマは
①古材の硬さ評価と②部材接合部の耐久性の2つ。
22日の中間報告会では、まず弊社の応接室にて
①の報告をしてくれました。
ピッカーズ試験機という機器を使って硬さ測定した結果と
電子顕微鏡による観察画像を報告してくれました。
今後新材との比較を行い、古材の有用性評価を進めてもらいます。
その後に、現在弊社で施工中の宗源院さまの現場に移動し
既存の本堂と施工中の庫裏の両方を見学してもらいました。
本堂では、ほぞやくさびなど伝統的な部材の組み方を見学し
庫裏では現代の接合金物を熱心に見学していました。
学生さんたちは、文献やネットでしか見たことのなかったものを
自分の目で確かめることができ、有意義だったと思います。
さっそく志村さんから
「貴重な経験になったとともに、研究への意欲がより一層出ました」
とのメールを頂きました。
今後は、実物の部材および接合金物を用いて
接合部の耐久性評価のため疲労試験を行う予定だそうです。
伝統的な組み方と接合金物を使った現代の組み方。
それらを学生さんたちが、どう研究を進めどう評価するのか?
2月の研究発表会が非常に楽しみであります。